祭り、特に夏祭りは大好きな我が家です。
今年もいくつかの夏祭りにウチノコと一緒に出かけました。
夏の夕暮れ、日中の日差しはやわらいだものの蒸し暑さは残るなか、
日はまだ長く、おたのしみはこれから、という雰囲気。
夏の夜は、少しいつもよりはしゃいでも許される、特別感がある気がします。
大人もこどもも、なんだかうきうきする感じ。
とてもこじんまりとした、荏柄天神社例祭の宵宮祭は、
そのなかでも好きな夏祭りです。
山門へ向かう階段には、こどもたちの絵が貼られた、
手づくりのぼんぼりが並び、広くはない境内には、
ビール、ジュース、かき氷、スーパーボールなどの少しの出店。
境内に響くお囃子の、笛、太鼓の様子をウチノコがじっと見ていると、
「やってみる?」と声をかけてくださいました。
一番端の太鼓をでたらめに叩くウチノコですが、
なんだかそれもこの雰囲気にのまれて、
不思議と軽快なリズムに聞こえてきます。
いつのまにか、他のこどももお囃子の太鼓体験に、列をつくっていました。
今年の「おたのしみ」は、様々な民族楽器を奏でるひとりの
ミュージシャンによる演奏。
各国の様々な民族楽器が並べられ、次々と手にして音を出していく男性に、
みんなが聞き入りました。
丁寧に楽器の説明をしてくれ、実際に触れさせてくれて、
こどもたちも興味津々。
暗くなった境内に静かに、時々激しく、幻想的な音色が響き渡りました。
ビールをいただき、こどもはかき氷を食べ、
お友だちと会って、大人同士、こども同士、しゃべったり、ふざけたり。
ただ夏の夜に、寺に集い、飲み、しゃべる。
信仰とは離れているようだけど、こうして毎年ひとが集まることで、
何かがつながれていく、それでいいのだと思います。
こどもたちにはくじ引きのおまけもあり、
ウチノコもお友だちもえんぴつを1本いただいて、よろこびました。
たくさんの出店に、いろいろな玩具が並んでいれば、
えんぴつ1本にこどもは目を向けないかもしれません。
でも、この小さな夏祭りで、お友だちとたのしんだ思い出に、
帰り道に手にした1本のえんぴつは、特別なおみやげです。
商売っ気のない、手づくりの、小さな夏祭り。
なんてことはないようで、毎年素敵な「おたのしみ」まで
考えてくださっている、その心遣いがあたたかく、やさしい祭りです。
大掛かりなものはなくても、ささやかに、丁寧に、
身近なものを慈しんで日々を過ごしたいと思います。
by 瀬戸なおよ
<DATA>
荏柄天神社 例祭
2008年7月20日 13時~ 神輿渡御
2008年7月24日 16時半~ 宵宮祭
2008年7月25日 10時半~ 例祭
荏柄天神社(鎌倉市二階堂74)
拝観料無料
>>お参りへ
<こづれ豆知識>
今年は民族楽器の演奏がありましたが、
去年は神話を題材にした紙芝居だったそうです。
毎年こどもたちがたのしめる出し物を用意してくれているようです。