ボランティアグループ「コソガイ」が運営する「鎌倉くらしと子育てガイド」の連載記事や、皆様から寄せられた体験談、コラム、エッセイのブログです。

鎌倉くらしと子育てガイド

第12回 軽度・中度の手帳サービス

大人になるまで気付かない程度の障害でも、手帳があれば使えるサービスについて。

成人後に障害の診断を受けた「あーるさん」。
このシリーズでは、あーるさんのお母さんが、大人の発達障害・知的障害で「利用できる支援」にたどり着くまでの体験やその時に調べたことを紹介します。

障害種別・等級の違い

いろんなところで『障害者手帳があれば受けられるサービス』として列挙されている中には、実は重度だけとか身体障害者だけとかのものも含まれていることに気付きました。

障害者向けサービスの多くは手帳の所持が条件となっていますが、重度以上と中度以下では内容が大きく異なります。また、障害の種類によっても受けられるサービスに違いがあります。

精神障害者保健福祉手帳のサービス

大人になってから発達障害や知的障害がわかるケースでは、手帳が取れても軽度(精神3級、療育B2)か、せいぜい中度(精神2級、療育B1)だと思います。

これらの手帳でも受けられるサービスをいろいろと調べたので、主なものを紹介します。

サービスを受けるには、手帳の提示や事前申請が必要です。

手帳を持っていても何もしなければ、手帳があることを他人に知られることはありませんが、サービスも受けられません。

軽度でも利用できるサービス

税金の障害者控除

所得税・住民税

納税者本人、または同一生計配偶者や扶養親族が12月31日の時点で障害者手帳を持っていると、その年の所得から控除されて所得税と住民税が安くなります。

勤務先に書類を提出して年末調整で、または確定申告で申請します。

相続税

85歳未満の障害者が財産を相続する時、年齢に応じて相続税の控除があります。

障害者雇用

手帳を持つ障害者のみが応募できる【障害者枠】で採用されると、障害に対する合理的配慮を受けながら働けます。

【一般枠】で採用された後に障害を開示した人は、手帳がなくても合理的配慮を要求できますが、手帳があると企業側にも助成金などメリットがあるため対応してもらいやすいです。

また、雇用保険に加入していて退職した時、手帳を持っていると【就職困難者】として、失業保険をもらえる期間や条件に優遇措置があります。

公共交通機関の障害者割引

電車

JR・小田急では、片道101km以上の普通乗車券を事前に窓口で購入した場合に限って、半額になります。IC乗車券は使えません。(軽度・中度、または重度でも単独利用の場合)

※重度障害者と介護者が一緒に乗る時以外は、上記のように条件が厳しいです。
精神障害者手帳は対象外です。
※江ノ電、湘南モノレールでは中度以下・単独利用の障害者割引はありません。

バス

路線バス運賃が半額、定期券購入が3割引になります。
運賃を払う時に手帳を提示すれば、IC乗車券でも割引されます。

※鎌倉周辺では、精神障害者手帳は対象外です。
※他の地域では割引率が違ったり、精神障害者手帳でも対象になるバス会社もあります。

航空機

割引内容は航空会社・路線により異なります。

※精神障害者手帳でも利用できます。
※一部の格安航空会社では障害者割引を行っていません。

タクシー

タクシー運賃が1割引になります。

※一部のタクシー会社では精神障害者手帳は対象外です。

携帯電話料金の割引

3大キャリアでは、障害者手帳を持つ人向けの割引サービスがあります。

  • docomo【ハーティ割引】
  • au【スマイルハート割引】
  • ソフトバンク【ハートフレンド割引】

料金プランやオプションによっては、ほとんど変わらなかったり、逆に料金が上がることがあります。あーるのスマホは昔の安いプランのままなので割引対象外でした。

文化施設などの割引

さまざまな施設で料金の割引を受けられることがあります。
寺社、美術館、博物館、レジャー施設、スポーツ施設、公共の駐車場、生協の配達など。

中度(条件付き)で利用できるサービス

中度の手帳のサービスはほぼ軽度と同じですが、一部条件付きで重度と同等のサービスが受けられるものがあります。

鎌倉市障害者医療費助成制度

健康保険の医療費自己負担が0になります。
乳幼児の時に使った小児医療証のような【受診証】が発行されます。

中度の場合、本人・家族それぞれに所得制限があります。この制度の『家族の所得』は、配偶者と同一世帯の一親等(本人から見た親・子)、全員の所得を合わせた金額になります。

障害基礎年金1級・2級の受給も、中度の手帳と同等の扱いです。

医療費助成

【鎌倉市障害福祉課】の窓口で手帳を受け取る時に申請書を書きます。障害年金の受給者は別に申請する必要があります。

【受診証】は毎年12月更新で、一度申請すれば市が前年の所得を確認して、所得制限以下なら新しい【受診証】が届きます。

第9回の記事に書いた【自立支援医療】は、1割負担で指定医療機関での精神通院にしか使えません。こちらの医療費助成制度が使えるなら自立支援医療は不要になります。

上下水道利用料金の減免

申請すると基本料金の分が減免されます。
中度の場合、一人で次の2つ以上の手帳を持ち、在宅で生活している人の【重複障害者世帯】のみです。

  • 療育手帳B1またはB2
  • 身体障害者手帳3級
  • 精神障害者保健福祉手帳2級

上水道は神奈川県、下水道は鎌倉市の事業で、それぞれ電子申請システムで手続きできます。
市役所下水道経営課の窓口でも受け付けています。

次回は12/13(水)に公開予定です。最終回で参考HPなどの話になります。

投稿者:あーる母

コソガイより

この記事の内容は、障害者の親である「あーる母さん」の個人的な経験に基づいたものです。社会福祉士の資格を持つスタッフのほか、複数の福祉関係者が確認を行っています。

受けられるサービス、手続きなどは人により異なったり、制度が変更になっている可能性があります。ご利用の際は、必ず関係機関や専門家による正確な情報をご確認くださいますようお願いいたします。

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