ボランティアグループ「コソガイ」が運営する「鎌倉くらしと子育てガイド」の連載記事や、皆様から寄せられた体験談、コラム、エッセイのブログです。

鎌倉くらしと子育てガイド

五所神社例祭

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五所神社は、材木座の氏神で町内の5つの神社を合祀されたことから
この名前がつけられたと言います。
材木座にある、ひっそりとした静かな神社です。

ウチノコの通園途中にあるため、毎日前を通るおなじみの神社です。
ご近所の方が参拝やお散歩をされている様子は見ますが、
観光で訪れる方は少ないのではないでしょうか。

そんな穏やかな神社が一変して活気づくお祭りが、毎年6月にあります。

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7日の夜には「子供フェスティバル」がおこなわれ、
材木座海岸入口にお囃子と何軒かの屋台が並びました。

道路から海岸までのわずかな路に露店が数軒並んでいるだけですが、
大勢の親子でにぎわい、焼き鳥や焼きそばなど人気の屋台には列が。

なんてことはない縁日ですが、お囃子を聞きながら、
昔ながらの素朴な風景になごみます。

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翌日、こども神輿に参加したいなと思っていたものの、起きてみると小雨。
こども神輿は中止ではないかというメールをお友だちからもらい、
我が家も出かけるのをやめることにしましたが、
その後、実際にはこども神輿は時間を繰り下げておこなわれたことを知りました。

お昼には雨も上がっていたので、15時からの海上神輿渡御を目指して出発。

材木座海岸に着くと、すでに大勢のひとが神輿の到着を待っていました。

神輿は材木座町内を練り歩き、最後に材木座海岸に到着し、海に入ります。
15時過ぎに、こども神輿がまず海岸にやってきました。

大人神輿の到着もわくわくしながら待っていると、
何人もお友だちを見つけたウチノコは、すでに自ら服を脱ぎ、
パンツで海のなかへ。
こどもたちはお祭りはどこへやら、海遊びに夢中です。

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その後3基の神輿が勢い良く到着してきました。
海で見るからなのか、神輿をかつぐひとたちが、
よそよりも威勢良く、荒々しく見えました。

海岸で風船を配りはじめたので、
こどもたちも海から出て、風船をもらいました。

並んだ3基の神輿は神主様のお祓いを受け、
今年は記念すべき「百年祭」ということで、あいさつの後、
くす玉が割られました。

くす玉に合わせてこどもたちに配られた風船も空に放ち、
色とりどりの風船が高く舞い上がっていきました。

そしていよいよ神輿が海のなかへ。

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大勢のひとに見守られながら、どんどん海に入っていく神輿。

神輿が海面につかないぎりぎりの深さまで水に入り、
右へ左へけっこう長い時間、神輿は海のなかをまわりました。

神輿を追いかけるように海に入るひと、必死に写真を撮るひと、
海岸の大勢のひとたちもなんだか騒然とした雰囲気。
わたしもウチノコも、立ち尽くして神輿を見つめました。

海から上がった神輿は、また勢い良くかつがれて、
ゆっくり五所神社に戻っていきました。
伝統の「天王唄」を披露しながら。

わたしの生まれ育った町には、祭りがありませんでした。
祭りのある町に生まれたかったと、小さい頃から思っていました。
あまり好きではなかった、遠くに離れてしまったわたしのふるさとのことを、
「天王唄」を聞きながらふと想いました。

守るものがある、戻る場所があるっていいな。
ウチノコにとってはこの場所がふるさとになるのかわかりませんが、
母と、お友だちと見たお祭りの記憶が、
大きくなっても少しでも残っているといいなと思います。

by 瀬戸なおよ

<DATA>
五所神社例祭
2008年6月7日(土)・8日(日)
宵宮:土曜19~21時
渡御:日曜11~17時
材木座海岸海上渡御:日曜日15時~
五所神社
鎌倉市材木座2-9-1
拝観料無料

<こづれ豆知識>
海水浴シーズンはまだ先ですが、海上渡御のときには、
かなりのこどもたちがすでに海に入って遊んでいました。
つられて入ってしまう可能性もありますので、
タオル、着替えをお持ちになることをおすすめします。