出産で一番変わったのは「家族の行事」に「参加する」側から「企画する」側になったことです。『子連れ外出』と『大人の接待』という真逆の要素をクリアするのは思いのほか難しく、たくさん失敗してきました。
第1子出産後、夜泣きの子供につきあって寝不足でフラフラしながらお宮参りをしたのが、私の「家族の行事」企画デビューでした。お宮参りのお作法や実際にお参りする神社のチェック、お宮参り着の手配、同行する義両親や夫の日程調整だけで手いっぱい。お宮参り後の会食までは思い至らず、ご祈祷後にあわてて入れるお店を探しました。
夏の週末の鎌倉にはなかなか空いているところはなく、夏の日差しと久々の外出で母子ともにクラクラしはじめたため、結局実家近くのファミレスに立ち寄ることになりました。一張羅を着てファミレスか…とも思いましたが、入ってみると、子連れのお客さんが多く、おむつ替えシートがあったり、角のソファー席に眠ってしまった子供をおろせたりと、意外とくつろげることが判明。
以来、「観光シーズンの鎌倉は混む」を教訓に、紅葉シーズンと重なった次男のお宮参りや長男の七五三は、まだ車も人もすいている受付開始直後を狙ってご祈祷→モーニング時間帯のファミレスでブランチ、というのが、我が家の定番コースになりました。
しかし、次男の七五三の時には「鎌倉らしいところで会食したい!」と一念発起。お参りする神社近くのお店をリサーチ、いいな、と思う和食のお店を見つけました。9月初めに連絡したところ、すでに七五三シーズンの週末は満席。急遽空きのある少し早めの時期に皆の予定を組み直し予約を入れました。こじんまりしたお店だったからだと思いますが、ハイシーズンの鎌倉は早めの行動が大事だなと感じました。
七五三当日、いつものように朝一番で受付し10時半頃にご祈祷を終え、鳩に餌をあげたら予約の時間にちょうどいいかな…と予想していましたが、少し早い時期だったせいか、9時過ぎにはご祈祷終了。鳩にたくさん餌をあげても時間が余り、結局、会食前に近くの喫茶店でお茶をすることに。落ち着いた雰囲気の和食店で大人たちがゆっくり食事をしていても子供達があまり騒がなかったのは、喫茶店でクリームソーダを飲んで満足していたからなのかもしれません。
計画通りに行かなくても深く考えず、最後は「これもいい思い出ですね!」と断言して締めくくることが「家族の行事」で一番大切なことのような気がしています。
また、鎌倉で暮らしていると、遠方の親戚との「観光も交えた会食」をアレンジする機会もあります。その場合、ゲストのイメージする「鎌倉」への期待にも応えたい…と勝手に張り切ってしまい「子連れ外出」ということも忘れて店選びをした結果、素敵な雰囲気を台無しにしてしまう、という失敗もやってしまいがちです。
これは、他のお客さんやお店の人のみならず、叱られ倒す子供たちやその状況に気を使うゲスト、そんなお店を選んだ自己嫌悪に苛まれる自分と、居合わせた全員に被害がおよぶパターンです。
いくらお絵かきセットや絵本、ミニカーなどを用意し準備万端で臨んでも、普段と違う雰囲気にのまれた子供たちは、騒ぎ出したりトイレに行きそびれたりと、こちらの想定を超えてくることもしばしば。
そういう苦い経験を重ねるうち「法事をよくやるお店」が候補にあがることが多くなりました。個室、子供メニュー、丁寧な食事、バリアフリー、寺社仏閣の近くと、条件が揃っています。そもそも法事は「家族の行事」の原風景。赤ちゃんからお年寄りまで幅広い層が参加する懐の広い一大イベントです。当たり前といえば当たり前ですね…。
何が起こるかわからないのが子連れ外出です。無策で迷惑かけまくり、注意を受けてもなんのその、「だから少子化になるのよ」なんていうのは考えものですが…。「やれることはやった」上で、たいへんな目にあっている方たちにはぜひ、先述の「これもいい思い出!」と心の中で断言して、どんどん「家族の行事」を企画していってもらいたいものです。
投稿者:くるまん
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