ボランティアグループ「コソガイ」が運営する「鎌倉くらしと子育てガイド」の連載記事や、皆様から寄せられた体験談、コラム、エッセイのブログです。

鎌倉くらしと子育てガイド

光明寺 観桜会

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春の鎌倉は連日連夜段葛の桜を愛でるひとで大にぎわい。
我が家もビール片手に夜桜見物を何度か。
シートを拡げての宴会とは違って、そぞろ歩きながら見る段葛の桜は、
混んでいても風情があっていいですね。

今年は桜の散るのが早かったので、
光明寺の観桜会の日にはすでにチラホラと葉桜に。
でも天気は快晴。
いつもは入れない山門の上にのぼれる特別な機会ということで、
自転車ではりきって出かけました。

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何度も光明寺は訪れていますが、
あらためて「山門にのぼれる」と聞いても、
「のぼれるような門だったっけ?」とピンときませんでした。

ウチノコも保育園のお散歩でしょっちゅう光明寺に来ているのですが、
やっぱり門のことはよく覚えていなくて、
「山門にのぼれる」という意味がわかっていないようでした。

光明寺に到着し、いつもはただくぐっていた山門をあらためて見上げてみると、
門とはいってもちゃんと立派な建物で、
ウチノコと一緒に「お~!」と思わず声を上げてしまいました。

いつもは人気のない、静かにたたずんでいる門の上に、
ひとが何人も上がって窓から外を見下ろしている様子は、
なんだか不思議な光景。

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さっそく山門特別拝観料300円を納め、暗い階段をのぼっていくと、
上には釈迦三尊・四天王・十六羅漢が祀られる部屋があり、
開け放たれた窓から外の景色がよく見えます。

海方面を見ると、由比ケ浜・江ノ島がずっと見渡せ、
この日は見えませんでしたが、
運がよければすばらしい富士山も眺められるそうです。

思った以上の絶景に感激していると、
案内係のお坊さんが、ウチノコを見つけてすっと近づき、
小さな飴をくださいました。お心遣いに感謝。

観桜会の他に、夏の観蓮会、秋のお十夜の際には、
この山門が特別に拝観できると教えてくれました。

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反対側にまわると、本堂の手前に広がる大きな桜を下に見下ろすことができます。
段葛ではいつも下から見上げていた桜の木。
少し緑がまじっているものの、咲き誇る桜を下に見る景色は、
これもまた絶景。

いつもの光明寺がいつもと違う。
同じものも下から見るのと上から見るのではまったく違う。
近くで見るのと遠くでみるのもまったく違う。
あたりまえのことだけど、目の当たりにすると、
大人もこどももはっとさせられますね。

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外の景色につい見とれてしまいますが、山門内部の建築も素晴らしい。
1階とは異なる装飾的な室内。
中央に掲げられる『天照山』の額は、
1436年後花園天皇から賜った由緒あるものだそうです。

「あっちに池があるんだよ」
「あそこはクツをぬいであがるんだよ」
得意げに指さして押してくれるウチノコ。

山門をおりて、ウチノコの案内で本堂にお参り。
池の鯉や亀を眺めていると、隣の広間ではお茶席が。

ウチノコは喜ばないだろうと思い、お茶はいただきませんでしたが、
きれいな桜色の着物をまとった女性たちがお茶をたてている様子を、
一緒に窓から興味深く眺めていました。

そこへ通りかかった住職さんが、
「小学生になったらぜひお茶をおやりなさいよ」と、
ウチノコに声をかけてくださいました。

それも素敵と思ったけれど、その後ウチノコは
材木座の海岸で思い切り砂遊びしてどろだらけ。
桜色の着物を着てお茶をたてるのはまだまだ先のことのようです。

by 瀬戸なおよ

<DATA>
光明寺 観桜会
2008年4月5日6日 10時~15時
光明寺(鎌倉市材木座6-17-19 )
拝観料無料
茶席700円・山門特別拝観300円
>>お参り

<こづれ豆知識>
6日13時~には、「法楽への誘い(法話=法主の宮林昭彦さん、津軽三味線演奏=廣原武美さん・西はじめさん」というイベントもおこなわれていました(入場料2000円)。じっとしていられる年齢なら、お寺で日本の音楽を聴く体験もいいですね。