こどもたちのために声を出して読んであげたい絵本を、読み聞かせ達人・石井佳代さんがご紹介くださいます。はじける笑顔とおおらかな声が魅力的な石井さんのファンのあなたも、そうでない方も、どうぞ絵本を読む参考になさってください。
第1回めは石井さんが子どもの頃に最初に出会った絵本。「ちびくろ・さんぼ」です。
ヘレン・バンナーマン (著),
フランク・ドビアス (イラスト),
光吉 夏弥(翻訳)
対象年齢 幼児〜小学校低学年
圧巻はやはりトラがぐるぐる回ってバターになってしまうところ。そして、そのバターでホットケーキを食べるところ。さんぼ、まんぼ、じゃんぼという名前の響きも楽しく、荒唐無稽なお話にとってもワクワクしました。私が持っているのは岩波書店刊ですが、海外から日本にも飛び火した差別問題の影響で、不幸なことに1988年から17年にわたり絶版になっていました。2005年、著作権が切れたことをきっかけに瑞雲社から復刻され、差別に対する過剰な反応も沈静化した今では、他の出版社から原書も出版されています。
投稿者:hanako